エクスペディア(Expedia)は、ひとつのwebサイトで世界中の航空券やホテルを手配できたり、航空券と宿泊の同時予約で割引を受けられるプランがあったりと便利なサイトで、有名で安心感もあるので多くの方が利用していると思います。
しかし、そんなエクスペディアは薄利多売のビジネスモデルのため、返金手続きや各種トラブルに伴う航空会社との交渉にコストをかけることができません。そのため、エクスペディアの利用者が泣き寝入りせざるを得ない状況になってしまう場合があります。
エクスペディアの危険性は、こちらの記事で詳しく解説!
私の場合には「悪天候による欠航(フライトキャンセル)」にも関わらず、エクスペディアから払い戻しを受けられなかったため、消費者庁越境消費者センターのアドバイスも受けながら4カ月間もの間エクスペディアと闘い、最後に返金を受けることができました。
この記事では、同じようなトラブルに巻き込まれている方に向けて私の経験を元に払い戻しを受けられるようにするための対処方法を解説します。
クレジットカード会社に相談する
エクスペディアで航空券を購入する場合は一般的にクレジットカードを利用すると思いますが、エクスペディアで購入した航空券代の引き落とし前であれば、「支払い停止の抗弁権」を行使することが出来ます。
これは、「クレジットカードを使って購入した商品やサービスが提供されない場合に、購入者はクレジット会社への支払いを拒むことができる」という割賦販売法で定められ購入者の権利で、クレジットカード会社のお客様センターに連絡して状況を説明することで、トラブルが解決するまで航空券代の引き落としを止めてもらいます。
ただし、すでに航空券代が引き落とされてしまった場合には「支払い停止の抗弁権」を行使することができないため、エクスペディアから航空券代を取り戻すしかありません。私のケースでも、すでに航空券代の引き落としが終わっていたため、この方法は使えませんでした。
払い戻しを受ける権利がある証拠を集める
私がエクスペディアのカスタマーサポートに返金依頼を行った時、エクスペディアの担当者から台風で欠航になった時に空港に居たかどうか尋ねられたので、「航空会社から欠航の連絡があったので、空港には行っていない」と回答しました。
すると、「当日、空港に姿を現さなかった場合にはフライトを放棄したとみなされるので、払い戻しの対象にならない」などと言い出しました。
また、エクスペディアから航空会社への払い戻し申請がうまく承認されない場合にも、申請が承認されない理由を調査することなく
「航空会社に払い戻しの申請を行いましたが、払い戻しの要件を満たしていないとの理由で航空会社の承認がおりませんでした。弊社ではこれ以上の詳細は分かりかねます」など言って、返金処理を打ち切られてしまう可能性があります。
このような場合でもエクスペディアの担当者に払い戻し手続きを実施させるために、航空会社の運送約款を調べて、自分には払い戻しを受ける正当な権利がある証拠を集めます。
まず、航空会社のホームページには大抵「お問い合わせ/QA」といったページがあるので、そこで「欠航」や「払い戻し」関連のQAを探すと、運送約款へのリンクが載っています。
運送約款の中に「払い戻し」(英語の場合は”refund”)というトピックがあり、払い戻しの対象となるケースが記載されているので、自分のケースがそれに当てはまることを確認します。
エクスペディアが間違った理由で返金手続きを実施してくれない場合には、エクスペディア担当者に運送約款のリンクを送り、運送約款の内容に基づいてあなたが払い戻しの対象であることを理解させることで、エクスペディアが航空会社への払い戻し申請を実施してくれるようになります。
また、初めから払い戻し手続きをおこなってくれる場合でも、あなたが払い戻しを受ける権利がある根拠をエクスペディア担当者に伝えることで、誠意をもって返金手続きを進めてくれるようになります。
払い戻しに必要な書類を調べる
エクスペディアが払い戻しを行わない原因のひとつとして、エクスペディアから航空会社に提出した払い戻し申請書類に問題があり、航空会社から払い戻しを拒絶されている場合があります。
これを防ぐためにエクスペディアに代わって、自分で航空会社のカスタマーサポートに連絡して、必要な書類を確認したり、それら書類が揃っていれば払い戻しを受けられる確約を取ります。
具体的な方法ですが、まず航空会社のWebサイトでカスタマーサポートのE-mailアドレスを探します。E-mailを使って航空会社のカスタマーサポートとやり取りするというのが重要なポイントで、これには以下3つの理由があります。
- 電話でやり取りすると電話代がかかるので、E-mailを使うことで通話料の発生を抑える。
- 外国の航空会社の場合は、英語もしくはその航空会社の現地語でのコミュニケーションになるので、メールでやり取りすることでコミュニケーションのハードルを下げる。
- カスタマーサポートとのやり取りを書面に残す
ところが、どの航空会社もE-mailでのやり取りは避けたいのか、E-mailでの問い合わせ先はどの航空会社のwebサイトも非常に分かりにくい所に記載されています。航空会社のwebサイトを隅々まで見ても中々見つからないので、E-mailでの問い合わせは受け付けてないのではと思ってしまいますが、実はどの航空会社にもE-mailでの問い合わせ先があります。
問い合わせる際のコツですが、航空会社は旅行会社経由で購入したチケットの払い戻しに関して、個別の事案についてはお問い合わせに応じないというスタンスなので、あくまでも「旅行会社経由で払い戻しを行いたいが、どんな書類が必要か」といったような一般的な質問の形で問い合わせるのがポイントです。
私が欠航による払い戻しを依頼したのはS7航空のチケットだったのですが、欠航になったフライトはS7航空とJALとの共同運航便で、実際の運行はJALが行う便でした。
そのため、JALから欠航証明書が発行されたのですが、エクスペディアの担当者からは「S7航空が発効した欠航証明書でないので、払い戻し手続きを行うことができない」と言われてしまいました。
そこで、S7航空にE-mailで欠航証明書を用意して貰えないか問い合わせたところ、S7航空から以下の回答が来たため、そのE-mailをエクスペディアの担当者に転送して、払い戻し手続きを進めてもらうことが出来ました。
Your flight S7 4122 was operated by Japan Airlines. All documents confirming flight cancellation must be requested through Japan Airlines.(S7航空4122便は日本航空による運航のため、欠航証明書等は日本航空から入手してください )
まとめ
(1)クレジットカード会社に相談する(支払い停止の抗弁権を行使する)
(2)払い戻しを受ける権利がある証拠を集める
(3)払い戻しに必要な書類を調べる
最後にExpediaの払い戻しトラブルに巻き込まれると、エクスペディア担当者のいい加減な対応にストレスが溜まったり、大変な労力が発生したり、不安な気持ちになって非常に辛いと思います。それでも上記方法でエクスペディア担当者の逃げ道(払い戻しできない言い訳)をひとつひとつ潰していけば、払い戻しに応じてもらえると思います。
私の事例を参考にして、ぜひ航空券代を取り戻してください。
◆旅行のトラブルを防ぐためのテクニック