ロシアの古都サンクトペテルブルグといえば、エルミタージュ美術館、血の上の救世主教会、ペテルゴフ宮殿、エカテリーナ宮殿など見どころが沢山ありますが、そんな有名な観光スポットとは別にあまりガイドブックには取り上げられない隠れた観光名所を紹介したいと思います。
今回紹介するのは、ロシア鉄道博物館。
2017年10月30日にリニューアルオープンしたロシアNo.1の鉄道博物館で、世界でも最も大きな鉄道博物館のひとつです。
ロシア鉄道博物館はサンクトペテルブルグのバルチィスカヤ駅に隣接した広大な敷地に建っていて、昔の蒸気機関車の車庫を改装した建物と近代的な建物、屋外展示場で構成されています。
ロシアで歴史ある貴重な蒸気機関車や電気機関車、客車が展示されていて、日本とはまた違うロシアの鉄道車両を沢山見ることができます。
また、随所に鉄道の仕組みやロシア鉄道の歴史を学べる展示や体験装置があり、大人や子供も楽しめます。
館内のマップ
- ①~③ 歴史展示室
- ④ C.68 蒸気機関車 展示コーナー
- ⑤ インタラクティブ・コーナー(時間の矢)
- ⑥ 中国東方鉄道(東清鉄道 ) 展示コーナー
- ⑦ 蒸気機関車の動作原理・構造説明コーナー
- ⑧ シベリア産バターを輸送するための冷凍車
- ⑨ 移住者を輸送するための客車
- ⑩ ロシア初のディーゼル機関車
- ⑪ ファイアレス機関車(無火機関車)
- ⑫ C017蒸気機関車運転台
- ⑬ 蒸気機関車の回転台
- ⑭ 大祖国戦争時代の鉄道
- ⑮ ソ連で最後に製造されたP36-0251蒸気機関車
- ⑯ 特急レッドアロー
- ⑰ ディーゼル機関車運転シミュレーター
- ⑱ 蒸気機関車の車庫の職員の再現展示
- ⑲ ディーゼル機関車の動作原理・構造説明コーナー
- ⑳ 車両修理部門の再現展示
- ㉑ 蒸気機関車用の給水装置展示
- ㉒ TM-3-12 鉄道砲塔
- ㉓ 高速鉄道(EP200-1 と Sokol-250)
- ㉔ Two-winged Semaphore
- ㉕ 移動ミサイルシステム
- ㉖ 保守作業車
- ㉗ 車両入れ替え作業車
- ㉘ 架線作業車
主な展示
C.68 旅客用蒸気機関車
1917年にネフスキー造船所&機械製作所で製作された蒸気機関車です。
ロシア革命前の時代、最も効率的で広く普及した旅客蒸気機関車で、1960年代まで運用されました。最大出力は1300馬力、設計最高速度115kmです。
中国東方鉄道(東清鉄道 )の客車
グレート・シベリア鉄道の一部である中国東方鉄道の車両で、ラトビアのリガにあるルソー・バルティック車両工場で1902-1904年に製造されました。
蒸気機関車の車両基地の模型
鉄道博物館ができる前にここが蒸気機関車の車両基地だった頃の様子を再現した模型です。
模型の近くに最新のヴァーチャル・リアリティー技術を駆使した望遠鏡が設置されていて、その望遠鏡を通してこの模型を眺めると、当時の様子を再現した映像とこの模型が合成された風景をみることができます。
インタラクティブ・コーナー(時間の矢)
ロシアの鉄道の過去・現在・未来を体験できるインタラクティブ・コーナーです。
蒸気機関車の動作原理・構造説明コーナー
蒸気機関車の外壁の一部を切り取っていて、ボイラーや蒸気発生器や蒸気で車輪を動かすシリンダーの構造を見ることができます。
ソビエト時代の蒸気機関車展示
円形のホールにソビエト時代に製造された数々の蒸気機関車が展示されています。
また蒸気機関車の下に回り込むこともできて、蒸気機関車の車軸の構造等を間近でみることができます。
ファイアレス機関車(無火機関車) No.9305
この機関車はボイラー施設から供給される蒸気を動力にして動く機関車で可燃性の物を取り扱う仕事で使われました。
この機関車はドイツのシュワルツコフ工場で1928年に製造され、その後ロシアのトゥアプセ(Tuapse) にある製油所で使用されていました。
ロシア初のディーゼル機関車
ヤコフ・モデストビッチ・ガッケル によってロシア(ソ連)で初めて開発されたディーゼル機関車で、1924にサンクトペテルブルグのバルティック造船所とキーロフ工場で製造されました。
最大出力は1030馬力、 設計最高速度は75kmです。
世界一早いディーゼル機関車
コロムナ機関車製作所で1990年に製造された旅客用ディーゼル機関車(TEP8-0002)です。
ソビエトで最高出力を誇るディーゼル機関車で1993年10月5日にサンクトペテルブルグ-モスクワ間でディーゼル機関車の最高速度の世界記録(271km/h)を樹立しました。
最大出力は6000馬力、設計最高速度は160kmです。
鉄道技術展示
模型などを使って、鉄道に関する様々な技術を学べる展示です。
こちらの連結器は実際に手で動かして、連結の仕組みを学ぶことができます。
旅客用蒸気機関車 P36-0251
コロムナ機関車製作所で1956年に製造された旅客用蒸気機関車です。ソビエト時代に251両製造されたベストセラー機でソビエト最後の旅客用蒸気機関車でもあります。
写真は屋外に展示されていますが、現在は屋内に移されています。
出力3000馬力、設計最高速度125km/hです。
電気機関車展示
円形のホール内にソビエト時代のさまざまな電気機関車が展示されています。独特のレトロなデザインの機関車が多く、見ていて楽しいです。
入場方法
バルチィスカヤ駅の脇にあるアーチ型のゲートをくぐり、200mほど進んだ先にある上記写真の建物が博物館の入口です。
入口を入ってすぐ左手に受付があり、ここでチケットを購入します。受付の向かって左にはトイレがあります。トイレは館内にもあります。
チケット売り場の反対側にはギフトシップがあり、お土産を購入することができます。取り扱っている商品は、鉄道関連の書籍やおもちゃ、模型、キーホルダーなどです。
基本情報
入場料
- 大人:300ルーブル
- 小学生の子供&学生:100ルーブル
- 未就学児:無料
開館日・開館時間
定休日:木曜日
営業時間:10:30~18:00 (水曜のみ10:30~21:00 ) ※最終入場は閉館の1時間前まで
住所
住所:Bibliotechny Pereulok 4/2, Saint-Petersburg
アクセス
- バルチィスカヤ鉄道駅から徒歩2分
- メトロ・バルチィスカヤ駅から徒歩7分
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