海外航空券を極限まで安く手配するための5つのテクニック

交通

海外旅行の費用の中で最も大きなウェイトを占めるのは航空券です。一方で、高額であるがために節約効果が最も大きいのも航空券です。

例えば、日本からヨーロッパ各都市への直行便は、早く予約すれば往復で14万円~18万円くらいの値段になりますが、この後に説明する5つのテクニックをうまく組み合わせれば、6万円~10万円まで抑えることができます。

それでは航空券を極限まで安く手配するためのテクニックを紹介します。

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航空券は必ず諸経費込みの値段を比較して購入する

まず、安く航空券を手配するための基本中の基本が、航空券の値段を比較することです。

航空券の値段を比較できるサイトは多数ありますが、スカイスキャナー を使うと燃油サーチャージや空港諸税込みの値段で比較できるためおすすめです。

また、出発日をある程度柔軟に決められる場合、スカイスキャナーでは下記のように目的地毎に「最安値の月」や「月間最安日」を調べることができるので、こういった機能を活用するとさらに安い航空券を見つけることができます。

スカイスキャナーで検索する際に注意すべき点がひとつあります。それは、スカイスキャナーでも預け荷物料金を含む金額での比較ができないということです。

LCCや単距離路線、米国系航空会社の場合、航空券が安い代わりに預け荷物を別料金にしている場合があります。預け荷物料金を加えたら、2番目に安い航空券の方がお得という場合もありますので、最安値の航空券の預け荷物が別料金でないかチェックしましょう。

預け荷物が別料金か調べる方法ですが、インターネットで航空会社名を検索して「格安航空会社」、「LCC」と出てくる場合には、預け荷物が別料金です。また検索して出てきたフライトの予約手続きを試しに進めると、支払い画面までの途中で受託手荷物(追加料金)の申し込み画面が出てくるため、それで預け荷物が別料金か最終確認できます。

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LCCの運行スケジュール・運賃の発表スケジュールを把握する

早く予約することも航空券を安く手配するための基本テクニックです。

先に紹介したスカイスキャナーの発表によると、日本初の海外航空券が一番安く買えるタイミングは出発の5ヶ月前とのこと。私の経験上も、東京発の欧州各都市行き長距離フライトは5ヶ月くらい前が底値になっているケースが多いです。

ただし、東京ー台北などLCCのシェアが高い路線については例外です。このような路線の場合、5ヶ月前に予約すると、まだLCC各社の運行スケジュールや運賃が発表されていない場合があり、安いLCCが候補に挙がらないばかりか、大手航空会社の運賃もLCC各社の運賃発表後にそれに対抗して値下げされる場合があります。

LCC各社の運行スケジュールや運賃は3月末~10月末搭乗分は1月の下旬に、10月末~3月末搭乗分は8月の下旬に発表されることが多いので、発表と同時に席を手配するのがおすすめです。

 

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逆転の発想で条件の悪いフライトをうまく活用する

みんなから敬遠されるような条件の悪いフライトは、早期に売り切れることが少なく、値段も安いので、このようなフライトをうまく活用した旅行プランを立てることで、航空券代を下げることができます。

具体的に条件の悪いフライトとはどのようなものかというと、だいたい以下ケースです。

  1. 乗り継ぎ時間が非常に長いケース
  2. 到着時間が深夜になるケース
  3. 乗り継ぎ回数が3回以上のケース

それでは上記のケース別に条件の悪いフライトをうまく活用する方法を解説します。

 

乗り継ぎ時間が長いフライトの活用法

Image by Walkerssk from Pixabay

チケットの中には、例えば下記のように経由地での待ち時間が10時間を超えるものがあります。最終目的地に到着するまで時間がかかり、同日乗り継ぎができない場合には自費でホテルも確保しなければならないので他のチケットに比べて安くなっています。

06:25 ウズベキスタン・サマルカンド国際空港 (SKD)
.↓
08:40 モスクワ・シェレメーチエヴォ国際空港(SVO) 。
.  乗り継ぎの待ち時間: 11時間 20分
20:00 シェレメーチエヴォ国際空港(SVO)
.↓
11:40+1 東京・成田空港(NRT)

このように乗り継ぎ時間が長いフライトの活用法は、乗り継ぎ時間を利用してショートトリップ(1日観光)をするです。例えば、上記フライトは実際に私がウズベキスタン旅行で利用した帰国便ですが、モスクワでの乗り継ぎ時間が11時間ほどあったので、その時間を利用して下記のようなモスクワの一日観光を楽しみました。

乗り継ぎ時間を利用したショートトリップの例

08:40 モスクワ到着&入国審査
09:20 空港からミニバスとメトロを乗り継いでベルニサージュ市場へ移動
10:50 ベルニサージュ市場でロシア雑貨のショッピング

13:00 ロシア料理レストラン MuhMuhで昼食

CafeMuMu(https://www.cafemumu.ru

14:00 メトロの美しい駅舎を見学

14:40 ワシリー寺院、赤の広場観光

15:10 グム百貨店でショッピング

16:30 アエロエクスプレスで空港へ
17:30 セキュリティーチェック& 出国審査

 

深夜に到着するフライトの活用法

Image by pintu gupta from Pixabay

深夜に空港に到着する場合、空港からホテルまでの移動手段が限られたり、24時間フロント対応のホテルでないと泊まれないなどの制約が発生します。そのため、空港に23時~1時に到着するフライトは他の時間帯に到着するフライトに比べて安いケースが多いです。

このような深夜に到着するフライトの活用方法は、「ホテルに泊まらず空港に滞在し、早朝の国内線に乗る」です。

例えば、トルコ旅行でイスタンブールとカッパドキアを回りたい場合、イスタンブールに深夜到着してタクシーで市内に移動、ホテルに宿泊して翌日のお昼のフライトでカッパドキアに向かうと、カッパドキア到着が夕方頃になってしまい、本格的な観光が翌日からになってしまいます。

1日目:東京→イスタンブール(0:45) →ホテル(2:30)
2日目:ホテル(11:00) →イスタンブール(13:30)→カッパドキア(16:00)
3日目:カッパドキア(終日)
4日目:カッパドキア→イスタンブール(夕方着)
5日目:イスタンブール(終日)
6日目:イスタンブール(夕方)→東京(翌日着)

一方で日本時間に合わせて機内で睡眠をとっておき、イスタンブールに深夜到着後そのまま空港に滞在、翌日早朝の国内線で移動すると下記のようにカッパドキアの観光時間を+1日することができます。

1日目:東京→イスタンブール(0:45) …空港に滞在
2日目:イスタンブール(6:40)→カッパドキア(9:00)
3日目:カッパドキア(終日)
4日目:カッパドキア→イスタンブール(夕方着)
5日目:イスタンブール(終日)
6日目:イスタンブール(夕方)→東京(翌日着)

早朝の時間帯の飛行機は値段が安い場合が多く、さらにホテルまでの往復交通費や宿泊費も不要になるので、旅費を大幅に節約することができます。

乗り継ぎ回数が3回以上のフライトの活用法

乗り継ぎ回数の多い便はタイムロスが多いため基本的にはおすすめしませんが、最初の区間が夜行便の場合には利用価値があります。

私が東京からアテネに行った時の航空券は下記のように3回も乗り継ぎがある旅程のため、カタール航空にも関わらず運賃が73,920円(諸経費込み)でした。

この便の場合、仕事が終わった後に羽田空港に向かい飛行機に乗れば、翌日の夕方にはアテネに着いて観光できます。

一方、昼行便を利用するとどんなに早くてもアテネに夜着になるので、夜行便であれば乗り継ぎ回数が多くても、値段が安いうえに目的地に早く着くことができるので利用価値があります。

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デメリットを理解した上で中国系航空会社を活用する

スカイスキャナー で航空券を検索していると、よく最安ルートで出てくるのが中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空などの中国系航空会社です。

例えば2024年のゴールデンウィークの東京発バルセロナ行きの往復航空券を検索すると、以下のように2番手以下の航空会社に比べて10万円近く安い中国国際航空の航空券が見つかります。(2024年1月時点)

  

この中国系航空会社ですが、特徴をまとめると大体以下の通りです。

  • 安全性には若干の懸念アリ
  • サービスの質は米国の航空会社と同じくらい
  • フライトの遅れは多い
  • 機内で快適に過ごせるかどうかは、中国人の習慣に馴染めるかどうかに左右される

各特長の詳細をこれから述べるので、それを見て中国の航空会社を利用しても大丈夫そうだと思えれば、中国系航空会社の活用も選択肢に含めることをおすすめします。

安全性は概ね日本の航空会社と同等との評価

世界中の航空会社の安全性の格付けを発表しているAirlineRatings.comによると、中国系航空会社の安全性の格付けは下記の通りで、2022年に墜落事故を起こした中国東方航空の格付けが低いですが、それ以外は日系の航空会社と変わらない格付けになっています。

中国国際航空  ★★★★★★★
中国東方航空  ★★★☆☆☆☆
中国南方航空  ★★★★★★★
四川航空    ★★★★★★★
深圳航空    ★★★★★★☆
上海航空    ★★★★★★☆
日本航空    ★★★★★★★
全日空     ★★★★★★★
ソラシドエア  ★★★★★☆☆
スターフライヤー★★★★★☆☆
Air Do     ★★★★★★☆

ただし、何か事故が起きた時の非常脱出の成否については、同じ飛行機に乗り合わせた乗客に左右されるので、比較的ルールを守る日本人の乗客が多い日系の航空会社に比べて、中国含む海外の航空会社はリスクがあると思います。

AirlineRatings.comは国際航空運送協会(IATA)が実施する安全監査プログラムからの認証の有無、EU飛行禁止リストに含まれているか、アメリカ連邦航空局(FAA)の承認の有無、過去10年間の重大事故の状況、国際民間航空機関(ICAO)の承認の有無をもとに評価を行っています。

サービスの質は米国の航空会社と同じくらい

世界中の航空会社の顧客満足度を調査し格付けをおこなっているSkytraxによると、中国3大航空会社の顧客満足度の格付けは下記の通りです。ちなみに日本のJALとANAは共に最高ランクの5つ星であり、顧客サービスの評判が良くないデルタ航空、ユナイデット航空など米国系航空会社の多くが3つ星ですので、中国国際航空と中国東方航空のサービスレベルは米国系と同じくらい、中国南方航空は日系と米国系の中間くらいのサービスレベルということになります。

中国国際航空 ★★★☆☆
中国東方航空 ★★★☆☆
中国南方航空 ★★★★☆

Skytraxではさらに細かく顧客満足度を調査しており、中国国際航空では機内食、機内エンターテイメント、乗り継ぎのサポート、乗客とのコミュニケーション、乗員の言語スキル、客室の温度に関して顧客満足度が特に低いという結果が出ています。
中国国際航空に関する個人的な印象ですが、機内食については日系の航空会社やカタール航空など評判の良い航空会社と比べると明らかに差を感じますが、中国国際航空と同程度の航空会社も多くあり、著しく劣っているとは思いませんでした。基本的には中華料理のため、全く口に合わない物が出てくるということは無かったです。また機内食は出発地で作られるため、出発地によってもクオリティーに差がある印象でした。東京→北京の機内食は、日本で作られているためそこそこ美味しく頂けます。
乗員の言語スキルについてですが、特に不自由を感じることはありませんでした。
客室の温度については羽織るものを持って自衛するしか無さそうです。

中国東方航空については乗り継ぎのサポート、乗客とのコミュニケーション、トイレの清掃状態、乗員の言語スキル、客室の温度に関して顧客満足度が特に低いという結果が出ています。
中国東方航空に関する個人的な印象ですが、機内食については中国国際航空と同じく基本的には中華料理のため、そこそこ美味しく食べられました。また上海→東京の便では驚くことに松茸のしょうゆ漬けも出てきました。ただし、松茸の香りはしなかったです。
乗り継ぎのサポートですが、上海に早朝に到着した際にトランジットエリアが閉まっていて混乱していました。トランジットエリアが閉まっている場合、一旦入国審査を受けて到着ロビーに出て、そこからセキュリティーチェック、出国審査を受けて乗り継ぎ便の出発ゲートに向かう必要がありますが、ビザが無いと中国に入国できない方は乗り継ぎ便の出発ゲートに向かうことができずパニックになっていました。 こういう点が乗り継ぎサポートの低評価につながっているように思います。

中国南方航空については、特に顧客満足度が低い部分はなく、全体的に日系航空会社に比べてまんべんなくサービスの質がワンランク下という評価です。

フライトの遅れは多い

世界中の航空会社の定時運航率を調査し発表しているOAGによると、中国3大航空会社の2018年の定時運航率(出発や到着の遅れが15分以内だったフライトの割合)は下記の通り70%前後です。

中国国際航空 68.84%
中国東方航空 70.62%
中国南方航空 71.52%

JALやANAの定時運航率は例年90%以上、台風の上陸が多かった2018年は84%前後まで下落しましたが、中国3大航空会社の定時運航率はそれに比べて低いです。
中国は航空需要の増加に伴って空の混雑が悪化しており、中国の空港を出発する際に航空路が混雑しているために離陸を待たされるケースが増えています。
これによって目的地への到着が遅れるケースが増えているので、中国系航空会社を利用する場合にはゆとりを持ったスケジュールにする必要があります。

中国の習慣に馴染めるかどうかが重要

中国系航空会社を利用して、他の会社と一番ギャップを感じるのは乗客の振る舞いです。
日本人は「他人に迷惑をかけない」という意識が強いので、機内でも静かにしているし、リクライニングも遠慮しながら倒す人が多いです。
一方で、中国人は自分や身内を大切にする習慣や積極的に自分の利益を獲得しにいくマインドがあるので、皆後ろを気にせずリクライニングを全開で倒すし、寝ている人がいようが大声で話したり、通路をうろうろしたりする人がいたり、トイレの順番待ちの割り込みも日常茶飯事です。
そのため、周りがうるさいと寝られない、割り込まれても抗議できないという人は中国系航空会社の利用は辛いかもしれません。
逆に自分も何の気兼ねなくリクライニングを全開にできますし、他の乗客をあまり気遣う必要がないので、周りがうるさくても寝られて、自己主張がちゃんとできる人だったら、中国系航空会社をうまく利用できると思います。

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別切り航空券を活用する

別切り航空券とは

別切り航空券とは、出発地から最終目的地までの移動を複数の安いフライトの組み合わせで実現することです。

航空券を買う時には、ひとつの航空会社で出発地から目的地までのすべてのフライトを通しで購入するのが基本ですが、安い航空券をうまく組み合わせて出発地から目的地までの旅程を組むと「通し」で予約するよりも大幅に安くすることができる場合があります。

例えば2024年のゴールデンウィークの東京発バルセロナ行きの往復航空券を手配する場合、通しで航空券を買うと中国系航空会社を除きエミレーツ航空のドバイ乗り継ぎフライトが最安値になります。

ここで東京ーソウル間をエチオピア航空、ソウルーバルセロナ間をエティハド航空にて別々に購入すると下記のように合計160,640円と大幅に安くなります。

このように航空券の値段を大きく下げられる別切り航空券ですが、大きなデメリットが2つあります。

デメリット:フライト遅延で乗り継ぎできなかった時の保証が無い

上記の航空券を例にすると、エミレーツ航空で通しでバルセロナまでの航空券を購入している場合、東京→ドバイ間の飛行機が遅れてバルセロナ行きのフライトに乗り継げなかった場合でも航空会社から振替便を用意して貰えます。また振替便が翌日になる場合には、通常航空会社の負担でホテルも手配して貰えます。

一方で別切り航空券で手配した場合、エチオピア航空とエティハド航空間の乗り継ぎは誰も補償してくれません。そのためエチオピア航空のフライトが遅延してエティハド航空のフライトに乗り継げなかった時は、エティハド航空のフライトは無断キャンセル扱いになり、再度往復分のチケットを自費で購入しなおさなければなりません。

そのため前の区間のフライトが遅延しても確実に乗り継げるように、最低でも5~6時間の乗り継ぎ時間を確保して予約してください。

私は上記のようなフライトの場合、行きはソウルで一泊してソウル観光を楽しむ旅行計画にします。帰りは乗り継げなくても、無駄になるフライトがソウルー東京間だけであり、比較的安くチケットを買えるので、同日乗り継ぎにしています。

デメリット:バゲッジスルーが難しい

もう一つのデメリットは最終目的地までのバゲッジスルーが難しいことです。

エミレーツ航空でバルセロナまでの航空券を購入している場合、東京で預けた荷物はバルセロナまで運ばれますが、別切り航空券として購入した場合にはソウルで一旦荷物を受け取り、再度預け直す必要があります。

ただし別切りで購入したそれぞれのフライトの運行会社が、同じ航空連合(スターアライアンス、ワンワールド、スカイチーム)に所属している場合や提携関係にある場合、チェックイン時に申し出れば最終目的地までバゲッジスルーしてもらえる可能性があります。

別切り航空券の探し方

別切り航空券を探す方法ですが、これもスカイスキャナー をうまく活用すると比較的容易に探すことができます。

例えば東京ーバルセロナ間のフライトを探す場合、スカイスキャナーで出発地に東京、目的地の欄には「すべての場所」を入力します。すると下記のように東京から各都市の最安値が一覧で表示されます。

次に別の画面でスカイスキャナーを開いて、今度は出発地にバルセロナ、目的地の欄には「すべての場所」を入力します。

これで検索を行うと、上記のようにバルセロナから各都市の最安料金が一覧で表示されます。これによってバルセロナに向かう安いフライトがある都市が分かります。

この2つの検索結果を比較して、東京からもバルセロナからも安く行ける都市(今回の場合はソウル)を見つけることが出来ます。

後は東京ーソウル間とソウルーバルセロナ間の航空券をスカイスキャナーで検索して、乗り継ぎスケジュールと運賃が希望に合うフライトを探します。

先に述べたように、別切り航空券はフライト遅延時の補償がないので経由地でも宿泊して観光を楽しむプランにすることをおすすめします。

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最後に航空券はなるべく航空会社から直接購入しましょう

スカイスキャナーの検索結果には、旅行会社が販売する航空券が多く表示されますが、旅行会社から航空券を購入するととんでもない不利益を被ります。詳細は下記の記事を参照してください。

そのため、スカイスキャナーの検索結果に出てくるフライトと同じフライトを航空会社のWebサイトから同じ値段で購入できないか必ずチェックしましょう。

ここで上げたテクニックをうまく活用して、ぜひリーズナブルに海外航空券を手に入れてください。

◆旅行のトラブルを防ぐためのテクニック

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